ついこの間まで南国リゾートの話題を扱っていたのにあれですがw以前オーロラを観測しに行った世界最北の街ロングイェールビーンについて突如記事を書きたくなりました
そのまま読むとlong year byenということで長年鼻炎に苦しんでいる人が多そうな名前の街ですが(ェ)、普段我々が暮らしている場所とは桁違いに環境が違うこの街の魅力やおすすめのホテル、オーロラ情報等をまとめたので北欧方面へオーロラ観測旅行を計画している方は是非参考にしてください!
世界最北の街=ロングイエールビーン(Longyearbyen)の基本情報
12月昼間のロングイェールビーン中心部
基本情報
北緯78度13分、東経15度33分、北極点からわずか1000km
ノルウェー領スバーバル諸島スピッツベルゲン島にある世界で最も北にある街
この地図を見てもらえればわかると思いますがロングイェールビーンから見ると日本人がよくオーロラを見に行く北国の都市が全て東南アジアに見えるレベルでブッチギリで北にあります
ロングイェールビーンに住んでいる人達からしたらオーロラで有名なトロムソ、キルナ、サーリセルカ、イエローナイフ、フェアバンクスなんかは南国ビーチリゾートに感じることでしょう
4月20日から8月23日が白夜、10月26日から2月15日が極夜といった感じで、一年の大半は太陽が全く沈まないか、全く昇って来ないという桁違いに非日常的な環境を味わうことができます
北極線付近を飛行中に見た、昼の世界と一日中夜の世界の境界線
北極圏に出かけたことがある方ならわかると思いますが、例えば北欧のトロムソなんかはオーロラ観測で有名な北極圏の街の中でもかなり北の方にある街なんですが、昼頃になると少ーしだけ明るくなったりするんですね
さらにアイスランドやカナダのイエローナイフあたりまで南下すると真冬でも昼間は結構明るくなります
これと比べてロングイェールビーンは桁違いに北に位置するため12月や1月あたりは正午でも全く明るくなりません
1日中完全に真っ暗です
上の写真もそうですが、これは12月の正午あたりに撮った写真です
1日中暗いので晴れてさえいれば1日中オーロラを見るチャンスがあります
実際飛行機でオスロから向かった時、昼にも関わらず機内からオーロラが見えました
人口よりもホッキョクグマの数の方が多い島なので、街から出る際には銃の携帯が義務付けられていますが、夏はともかく冬に街の外に一人で行くのはホッキョクグマ云々関係なく自殺行為なのであまり気にしなくて大丈夫です笑
ちなみにホッキョクグマは見れませんでしたが、街の外にオーロラを見に行った際にトナカイをたくさん見かけました!
こんなド辺境の北極にある街にも関わらず、さすが先進国ノルウェーの領地だけあって、生活に必要なインフラは全て高水準で揃ってますので旅行する上で不自由は一切ありません
ただし、世界最高レベルの旅人泣かせの物価の高さを誇るノルウェーですが、この島はそんなノルウェー本土と比べても
非常に物価が高いです
ロングイェールビーンへの行き方
ノルウェーのオスロや、トロムソから直行便が出ているので基本的にはこれらの都市から飛行機で行くことになります
オスロから約3時間、トロムソから約1時間30分
(ノルウェー本土側ではパスポートコントロールありますが)実質国内線扱いです
チケットは直接スカンジナビア航空、ノルウェーエアシャトルのホームページから検索して購入するのが良いでしょう
1万円程度からちょっと高くて3万円程度と物価の高いノルウェーの割には良心的です
ロングイエールビーン空港の出発到着情報を見てもらえればわかると思いますが、選択肢はほとんどありません
直行便が出ている曜日はオスロからもトロムソからも限られています
参考までに2018年11月現在のオスロ、トロムソーロングイェールビーン間の直行便の就航状況をしたにまとめておきます
オスロから(へ)の便 | 月、金 | 往復とも1日1便 |
トロムソから(へ)の便 | 月、火、木、金、日 | 往復とも1日1便 |
現時点で直行便はこのような状況になっておりますが、復路のロングイェールビーンからの便に関しては経由便を使うことによって少し選択の幅は増えます
例えば木曜日にロングイェールビーンからオスロまでの直行便は出ていませんがトロムソへの直行便が出ておりますので、トロムソ経由でオスロに行くと行った旅程は組めます(オスロートロムソ間は結構な数の便が出ております)
ただし往路のロングイェールビーンに向かう便に関してはオスロ、トロムソ両都市とも朝発の便になるので、乗り継ぎ便の選択肢はあまりないかもしれません
世界最北の街=ロングイェールビーンでのオーロラ観測
ロングイェールビーンはオーロラ観測でも有名な街です
これだけ北にある街なので当たり前かと思うかもしれませんが、実はオーロラっていうのは北に行けば良いってもんではなくて、オーロラベルトと呼ばれているだいたい緯度65度から70度程度の位置が観測に適していると言われています
ロングイェールビーンは北緯78度ですからこのオーロラベルトから北に大きく外れてはいるんです
でも安心してください
問題なくオーロラは見れます
というか北欧の大陸部と比べて晴天の確率が比較的高く、オーロラ観測には適していると言えるでしょう
以下実際に筆者が撮影したオーロラです(オーロラの撮影は初めてだったので慣れてなくていい絵が撮れませんでした…)
最初こんな感じで細くて弱々しいオーロラが現れたんですがすぐにデカくなりました
段々こんな感じで拡散?していきます
この日のツアーはカメラを持ってたのが筆者だけで他はヨーロピアンの客が多く
と後ろからたくさん話しかけられました笑
初めてのオーロラ撮影は準備と心構えができてませんでしたね
暗闇と寒さの中でカメラの設定をいじるのがあんなに大変だとは思いませんでした(´□`)
オーロラを見る方法
オーロラを見る方法についていくつか紹介します
自力で暗いところに行く
オーロラが強く出ているときなら街中から普通に見れます
ツアーに出発する前、ホテルの前で迎えに来るのを待ってたとこ、現地のオッサンに挨拶をされたんですが
気づかなかっただけでホテルの玄関から上みたらオーロラ出てた笑
街中は明かりがあるのでかなり強く出てないと見えないんですが
ちょっと外れの方に行くと真っ暗な場所があるので元気があるなら歩いて見に行くことも十分可能です
ただし自力で暗いところへ行く場合は防寒対策を完璧に整え、決して無理をせず、街の中からは出ないのはもちろんのこと、遭難しないようにしましょう
ツアーに参加する
オーロラを見に行くツアーはいくつかありますが、最もリーズナブルで気軽に参加できるのはスノーキャットと呼ばれている雪上車で街の外にオーロラを見に行くツアーでしょう
筆者が乗ったのはコレです
街中のホテルならどこでも予約ができ2018年11月の段階では
NOK695.00(約9400円)
となっているようです
筆者が行った時より高くなっている気がするので、このブログを見て行く方がいたら、2019年はさらに高くなっている可能性があります
移動時間が短く、街のすぐ外に出ればオーロラが観測できるので一番お手軽です
このツアーに参加している途中にトナカイをたくさん見ました(●´^`●)
その他トレッキングやスノーモービルのツアーも開催されており、街から離れたり暗いところへ行くツアー全てでオーロラを観測できる可能性が高いです
世界最北の街=ロングイェールビーンの豆知識
非常に特殊な環境の街で、いくつか面白い豆知識があるので紹介します!
スヴァールバル世界種子貯蔵庫
見に行けなかったんですが、この街には種子の貯蔵庫があります
ウィキペディアによるとビルゲイツ主導で作られたこの貯蔵庫の正式名称は「あらゆる危機に耐えうるように設計された終末の日に備える北極種子貯蔵庫」だそうです
最大300万種の種子を貯蔵することができ、万一冷却装置が故障した場合にも永久凍土層によってマイナス4℃を維持できる環境に置かれており、さらに地球温暖化によって海面が上昇しても影響を受けない場所に建てられています(海面上昇と温度上昇が想定以上だったらしくこれ本当に大丈夫か怪しいらしいけどねw)
自然災害、病気、核戦争等によって農作物種が絶滅するのを防ぐ役割があるみたいですが、使われる日が来ないことを祈ります
スヴァールバル条約
条約加盟国の国民はビザなしでこの島を訪れることができ、自由に商売をすることができます
日本は加盟国です
実際に島で働いている日本人を3名ほど見かけました
なぜかタイ人が多かったのが謎です笑
死ぬことが違法
この島では人が死ぬことは違法です
寒すぎて遺体が腐って分解されないため遺体の中で生き続けるウイルスが何かのきっかけでパンデミックを引き起こしかねないというのが理由らしいです
死期が近い人はオスロ等へ住む場所を移すみたいですね
世界最北の寿司屋Sushi KITA
寿司屋だけに限らないんですが、この島には世界最北のスーパー、学校、映画館、ATM、タイ料理屋、定期便のある空港等いろいろあり…というか大抵目に移るものは世界最北です
例えばこちらは(多分)世界最北のスーパーマーケット
結構品揃えは良いです
そして(多分)世界最北のATM
そんな世界最北だらけのこの街で日本人の板前が握り、日本人のスタッフが働いている寿司屋を発見しました!
これが世界最北の寿司屋で食べられるお寿司です
滞在中2回もここを訪れてしまい2回目はサーモン丼を食べました
北極の地で日本の味に出会えるとは思わなかったのでびっくりしましたね
世界最北の街ロングイェールビーンでおすすめのリーズナブルなホテル=Coal Miners’ Cabins
- できるだけリーズナブルなところが良い
- キッチン付きのホテルに泊まりたい
街の外れの方にあるホテルで一番安いのはこんな感じのツインのお部屋です
街の中心部までそんなに距離はないんですが、冬だと歩きづらいですから徒歩で5-10分程度はかかります
その代わり世界屈指の物価を誇るこの街ではかなりリーズナブルなホテルです
街の中心から少し離れているため、光の少ないところを探しやすく、少し歩けばオーロラを見れるチャンスがあります
wifiはレストランの方では繋がったんですが、レストランが閉まっている時間帯は繋がりませんでしたね(ひょっとしたらこの事情は変わってるかもしれません)
キッチンがついていたので、スーパーで買った食材を自分で料理することもできます
ノルウェーはキャビア(魚卵)が有名で、スーパーに行けば瓶で結構安く売ってます
まぁチョウザメの卵に限らず魚卵全般をキャビア扱いしてるんですけどね…
朝食は併設のレストランで食べるんですが、ここでランチやディナーを食べたりお酒を飲んだりすることもできます(というか飲んでばっかでした)
肉料理が美味しかったですね
総合的に見て節約したいけど最低限の設備はほしいって人にはかなりおすすめできるホテルなので興味があったら是非参考にしてください
Coal Miners’ Cabinsの口コミ確認、予約はコチラから世界最北の街=ロングイェールビーンを訪れる際の注意事項
特殊な環境の街なので最低限以下の点について確認してください
(特に冬は)必ずホテルを事前に予約してください
宿は一件一件歩いて探す的な旅人ごっこをしたい気持ちはよくわかりますが、それは温暖でイージーな東南アジア諸国だけにしておくことをおすすめします
真冬のロングイェールビーンは最高気温がマイナス10℃を下回るのが普通で、天気が良ければ(基本的に晴れてる方が気温は下がります)マイナス30℃以下になることも珍しくないというかこれが普通です
そして辺りは真っ暗です
あんまり無茶すると死にます
ほぼ全ての旅行客がホテルを事前に予約し、空港からのシャトルバスは予約しているホテルを告げて連れて行ってもらうシステムになってますので必ず事前にホテルを予約しましょう
服装について
北欧方面は緯度の割に寒くないと言われていますがすぐ上に書いた通り
当然寒いです
アラスカやロシア、カナダと比べるとこれでも平均気温は高い方ですが東京の冬服では太刀打ちできないし、あまり舐めた服装でウロウロしてると思わぬ怪我、凍傷を負う可能性があります
北極専用に服を用意する必要はありませんが、安物でも良いのでスキーウェア、手袋、帽子、ある程度寒さに強そうな靴を用意しましょう
これで大抵の場面はなんとかなるし、ほとんどの観光客がスキーウェアを着てます
ちなみに筆者がオーロラを観測した時は−30度以下まで下がりましたが、普通に冷気がスキーウェアを貫通してました笑
クレジットカードは必須です
ノルウェー本土もそうですが、特にロングイェールビーンはクレジットカードが使えない場所は1つもありません
ちょっとした売店での買い物、ちょい飲み、軽食、バスのチケット等、何でもクレジットカードで支払うのが当たり前です
旅行中現金を使う機会はありません
というか現金で支払うと逆に迷惑なんじゃないかってレベルでクレジットカードでの支払いを要求されると思うので最低2枚(JCBの通用率は低いのでVISAかMasterCard)は持っていきましょう
海外旅行をするような人だと既に持ってる人が多いと思いますが、入会費、年会費無料のマルイのエポスカード(VISA)を持って日本を出国すると90日間自動的に海外旅行保険が付帯します
キャッシュレス(保険会社が直接病院に支払う)に対応しているので現地で病気や怪我等のトラブルがあっても病院で1円も支払うことなく病院で診てもらったり、入院することができ非常に便利です。
以上!桁外れの非日常感を味わえる世界最北の街、ロングイェールビーンでした!
オーロラが見れることはもちろん、極夜、白夜と言った普段味わえない現象を体験できる秘境
ありきたりな海外旅行に飽きたら是非次の旅行先に検討してみてください!
オーロラ観測ではノルウェーの大陸側にあるトロムソも有名です
以下の記事で簡単にまとめてあるので是非参考にしてください
それではまた!ポップガンマイ( *`ω´)プイッ
ps
写真に入れるウォーターマークのデザインを変えました